自分が過去に書いた文章なんて、下手すると一時間後には消したい思いに駆られるシロモノですが、それでもたまーに自著を読み返してみたりはするわけで(最新巻とか、世に送り出すまでは、それこそ百回単位で読み返していますが)。
で、そうすると結構な確率で、「え? お前、こんな言葉知ってたの?」と思ったり、若干ナルシスなこと言うと、「あ、なんか思ってたよりは面白い」と思ったりします。いや、勝手に自分の過去の文章に対するイメージを下げまくっているので、そうなるだけなんですが。
不思議だなぁと思います、文章。
過去の写真を見るのとかとは、また全然違う、当時の自分の「中身」みたいなのがそこに居るから、なかなか直視しづらいっていう。
でも多分……多分、もっともっと年を取ると、こういうのも寛大な心で見られるようになるんじゃないかなぁとは思うのですが、どうなんでしょうね。
そう考えると、ちょっと、中学や高校時代とかにも小説書いておけば良かったなとかって思います。うん、その頃の自分の書いた小説があったら、今の私は、割と笑い飛ばすテンションで読める気がする。
そんなことを考えていたら、ふと思い出したことが。
中学時代、友達と一緒に、ノートにしょーもない文章書いて回す……交換日記という程のものでもない、駄文集めノートがあったのですが。
そこに、私、確か「雷神伝説殺人事件」とかいう、本当にしょーもない文章書いていた気がします。振り子のトリックで人が死ぬんですが、まあ、今思い返しても「だから何」です。コナン1話見た方が百五十万倍有意義な文章です。しかしアレが読みたい。当時の私が、何を面白いと思ってアレを書いたのか、分析をしたい。一応は、友達と回しているノートなので、「読み手」を意識しているはずなのに……。
それともう一つ、ケータイ持ちたての頃(高校生ぐらい)、出かけている弟に、メールでその日彼が見られないアニメのあらすじを訊ねられた際、当時の文字数制限(500字とか)一杯に、全く嘘のしょーもないあらすじ文章書いたのを、前編後編二通程に分けて送ったりとか、していた気がする。
……なんだ、私、意外と昔からそういうのやる奴だったのか?(ちゃんと小説書いてみようかなと思ったのは、二十歳あたりから)。
そんなことを考えていたら、確かに、色々読み返したくなってきました。
そんなわけで皆さんも、黒歴史ノートとか、見るのも辛くとも、取っておくことをオススメします。多分、二十年とか経ったら、これ以上無いぐらいに楽しめますから。ワインとかと同じで、熟成すると美味みたいです。
……まあ、それでも耐えられない酸味がするのも、あるんでしょうけどね!
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