ここ数年、生意気にもファンタジア大賞の選考委員などをやらせて貰っておりますが。
いっつも最終選考策とか読んでいると、レベル高くてビビリます。どうしてこれでまだデビューしてないんだろうとか思います。
……そう言っときながら、別に甘めの審査するわけでもないんですが。
今年のもうじき出る大賞作品(ロクでなし魔術講師と禁忌教典)なんか、コメントでも「文句の付け所がない」とか書いてますが、本当に、私なんかがどうこう口出すようなレベルじゃないです。すげー面白いわけで(ステマというか、ダイレクトマーケティングというか、ただの称賛)。
んで、本題なのですが。
ここ数年審査する時に、自分含めて作家さんやら編集さんやらの意見出し合う際。
いつも思うのは「意外と『文章力』みたいなのはそこまで重要視されすぎない」ということです。文章力……と一口に言うのも雑な気がしますが(私の中での「文章力が高い」は「読みやすい」とほぼ同義ですし)。要は、難しい言葉やら比喩表現やらは評価ポイントとしては大分下、ということでして。
話として面白いっていうのが一番なのはさておき、文章云々という点では、まず「読みやすい」が一番です(これが案外難しいことなのですが)。変な話、「何を言っているのか分れば」、基本的にはいいわけで。
つまり、「もっと気軽に書いて送って全然いいんだよ」という話です。ほら……私みたいなのが受賞したり、あまつさえ審査委員する賞なんですから。
別にファンタジア大賞に何か頼まれての告知でもないんですが、案外、世の中「趣味では書くけど、賞応募とかはなぁ……」みたいな人が多い気がするんで、なんとなく呼びかけてみました。なんて審査委員らしい働き! 数年に一度あるかないかの、真面目ブログ!
まあ実際自分も「折角書くなら、宝くじ買うつもりで賞応募もしてみよう」みたいな軽いノリで応募したタイプなんで。特に「面白い話は思いついたけど、文章が……」みたいな気後れはいらないと思います。
勿論前述した通り「何言ってるか分かる」程度の文章力は流石にないと駄目ですけどね。ただ、たまに、小難しい言い回しやら比喩表現やらやりすぎて、「逆に何言ってるか分らない」とこまで入り込んじゃうもったいないケースもありますので、ご注意を。
あとあと、よく応募原稿にありがちなのが、視点変更の分かり辛いもの。これ意外とマイナスです。ただ章区切りするだけで改善するケースも多いんで、ちょっと気をつけてみたらいいと思います。
そんなわけで、自分が大して上手くもないのに妙に上から目線の鼻持ちならない審査委員・葵せきな大先生からの、ありがたいお言葉でした。
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