カズミ「ねえねえ、ショーコ! 凄い噂聞いちゃった! なんと、隣の駅の私立現守高校には、帰宅部とか、校内を徘徊して噂を集める幽霊だとか、本物の巫女だとかが居るらしいよ! これは調査しないとっ!」
ショーコ「…………」
カズミ「ショーコ? なんで喋んないの?」
ショーコ「(無表情で身振り手振り)」
カズミ「ん? 本編じゃまだ喋ってなかった? ……あー、そういえばそうね。毎回私の語りだからね、私達の出番。意外とそこには『ショーコはカズミの脳内キャラだった』という衝撃のオチがあったりするかもしれないもんね」
ショーコ「(こくこく)」
カズミ「ん、でも、ここで違うこと言っちゃったね」
ショーコ「(ガーン)」
カズミ「あ、ショーコ、泣かないで! じゅ、充分キャラ立ってるよ、ショーコは!」
ショーコ「(……しくしく)」
カズミ「あー……。ほ、ほら、そんなテンションじゃ三巻で活躍出来ないよ! え? 元々全く活躍してないって? う……そ、そんなことないよ。私達の会話、意外と毎回重要ポイントだよ? むしろ重要な部分だけ任されているという見方も出来るわけで……」
ショーコ「(ふるふる)」
カズミ「え? 主人公達と全く絡んでない? 別の物語を展開しているっぽい? だ、大丈夫だよ、ショーコ。多分、ほら、ここまできたら、最終話あたりで絡むんだよ! 主人公が大ピンチな時に颯爽と私達が駆けつけ――。え? 役立たず? い、いや、まあ、霊視能力ないけどさ……。えと……そ、そう、急に出てきて、主人公と恋におちるっていうのはどう!?」
ショーコ「(……ぽっ)」
カズミ「
照れた!? あの死にたがりが好みだったの!?」
ショーコ「(てれてれ)」
カズミ「ショーコ……
趣味悪いよ」
ショーコ「(ガーン)」
カズミ「しょ、ショーコ……。だから、何も泣かなくても……。だ、大丈夫よ。作者はちゃんと私達のことも考えてくれているよ! きっと! ほら……あの作者のことだから……。
死亡展開とか」
ショーコ「(!!)」
カズミ「マテリアルゴーストだけに、最終的には幽霊になって出てきて……」
ショーコ「(あうあう)」
カズミ「主人公達の最大の敵として降臨!」
ショーコ「(!!)」
カズミ「そうか! だから一巻から出演しているのね、私達! 伏線だったんだわ! あの作者ならやりかねないわ!」
ショーコ「(…………)」
カズミ「ちょ、ショーコ!? なに柱にロープ結んでいるの! いや、これは、自殺したらマジでそんな展開になっちゃうから! っていうか、ブログで死なないで! せめて本編で死んで!」
ショーコ「(……うじうじ)」
カズミ「……か、帰ろうか? な、なんか、出演の機会もらったのに、テンション下がるわね……ここ……」
ショーコ「(コクリ)」
カズミ「じゃ、じゃ、行こっか。……え、えと、手、繋ぐ?」
ショーコ「(……コク)」
カズミ「(あー、やばい、ショーコが鬱モードに入った。こういう普段クールキャラの子は、落ち込むと落ちるとこまで落ちるのよね……。三巻までになんとかしないと……)」
*三巻に続く